久山町の財政地図21年の歳入歳出を、長く見る
外野からのただの感想で終わらぬよう、ノンビリムラがある福岡県久山町を、財政データから解剖していきます。
本章は決算書(H17〜R6)、当初予算書(R6〜R8)、都市計画マスタープラン、農林業センサスなど公開データから構築しています。

久山町の基本情報
まず久山町の基本データを並べておきます。
- 人口:9,386人(住基台帳・2025年4月時点)。5年で人口増加率10.4%(全国10位)
- 面積:37.44㎢、うち山林2,636ha(70.4%)、自然的土地利用が全体の83.4%
- 位置:福岡市東区に隣接。役場から福岡市都心まで約10km
- 65歳以上比率:27.4%(2020年)、15歳未満比率:16.7%(福岡県平均13.3%より高い)
- 2050年人口推計:9,712人と微増(全国減少社会の中で珍しい)
- 総合商業施設「トリアス」(1999年開業):年商約380億円、年間来場者684万人、コストコ日本初出店地
- 久原ダム・猪野ダム:福岡市160万人の水道専用水源
- 地域経済循環率:137.1%(2018年、RESAS)
- 九州大学医学部との連携は1961年から64年継続(久山町研究)。国連HABITATやデジタル大臣も視察
海士町の構造(自主財源12.3%)と比較すると、久山町は対極の位置にいる余力のある自治体。
健全性の評価:「稼ぐ力はある、ただし自由度は低い」町
令和6年度(2024年度)の久山町決算は、歳入71.39億円、歳出65.78億円、町民1人あたり70.08万円が使われている計算になります。財政の健全性を評価する代表的な指標を並べると:
- 自主財源比率:58.2%(全国町村平均は40〜45%)。稼ぐ力はある
- 経常収支比率:90.8%。経常的な収入のうち、すでに人件費・扶助費・公債費など経常的な経費に消えている割合
- 財政力指数:0.76。不交付団体(1.0以上)まではいかないが、町村としては悪くない水準
- 公債費負担比率:7.8%、実質収支比率:13.8%。借金返済負担も単年度収支も健全
久山町の素顔は「稼ぐ力はある、ただし、自由に使えるお金は少ない町」。自主財源比率58.2%は海士町12.3%の5倍近くだが、経常収支比率90.8%は、収入の9割超がすでに既存の運営コストで埋まっていることを意味します。新しい何かに投資しようとしたとき、自由に動かせるのは予算のごく一部。これが本章のメインテーマです。
国庫支出金は「ノイズ」として読む
もう一つ重要な視点。国庫支出金(11.7%)と県支出金(4.9%)は、町の経営判断には関係ない『ノイズ』として除外して読むべきです。これらの輸血金は使い道があらかじめ国・県から指定されている──児童手当の国庫負担金は児童手当に、自治体DX補助金はDX事業に、と用途が固定されている。町のフリーキャッシュではなく、町を「トンネル」として国県のお金が町民サービスに流れ込んでいるだけです。
R6決算で国庫支出金8.4億円+県支出金3.5億円=合計11.88億円がこの「ノイズ」。これを差し引いた実質予算は約59.51億円。その中で町が動かせる自主財源41.5億円が占める比率は、69.8%に上がります。「町の経営者の視点」で見ると、自主財源比率はもっと高い。ただし、この実質予算59.5億円のうち、人件費・扶助費・公債費などの経常的な経費でほぼ9割が固定されている。動かせるのは数億円規模、というのが久山町の現実です。
21年で予算2.07倍。年率3%台の静かな膨張
長期で眺めるとどうなるか。久山町は決算状況を平成17年度(2005年)から公開、令和8年度(2026年度)当初予算書も既に出ています。合計21年分のデータを抜き出して、長期トレンドを描きます。
※この章では「予算」と「決算」を区別しています。予算推移のグラフ(この図と後出の7年推移)は当初予算ベース、歳出の目的別グラフは決算ベースです。基金の項で触れる「毎年7億円の取り崩し」も当初予算上の計上額で、決算では積み戻されています。予算と決算ではズレが出るため、出典を図ごとに明記しています。
21年の長期トレンドが教えてくれることは、いくつかあります。
第一に、予算規模はじわじわと膨張してきた。平成18年度(2006)の35.3億円から、令和8年度(2026)の73.1億円へ。21年で2.07倍。
第二に、町税は21年で1.65倍に堅実に伸びている。H18の15.0億→R8の24.7億。トリアスや物流倉庫群が固定資産税ベースを押し上げてきた成果です。
第三に、令和2年度(2020)に国庫支出金が15.57億円に急増(コロナ対策)。コロナ対応は終わりましたが、国庫支出金は依然8億円台で高止まり。R7予算では児童手当国庫負担2.33億円、自治体DX推進補助金1.22億円などに置き換わった形です。
第四に、ふるさと納税はR5(2023)から当初予算に本格計上され、R5の5.69億→R8の8.29億へ。おそらく茅乃舎ブランド(久原本家)の商品力が効いています。
歳出の20年:ハコモノは横ばい、福祉は約3倍
歳入と並んで、歳出側も同じ20年スパンで見てみます。
歳出の20年トレンドが示すのは
民生費(福祉)はH17の5.55億→R6の16.81億で約3倍──少子高齢化と社会保障拡充が直接効いている。いまや歳出で最大の費目です。
総務費は土地開発公社解散(H25)やコロナ給付(R2)で乱高下、教育費は約1.8倍、土木費は約1.5倍。
土木費はほぼ横ばいでH19の7.52億→R6の7.38億、「ハコモノは増やしていない」と言える唯一の指標です。
公債費(借金返済)は4億〜5億のレンジで20年安定。新規借金を抑えながら過去の借金を着実に返してきた成果として評価していい部分。
スパンを変えると、別の物語が見える
同じ財政データでも、21年・10年・7年のスパンで切り出すと、それぞれ別のストーリーが見えます。長期で「健闘してきた町」、中期で「外部依存が深まった町」、直近で「町税が止まった町」。どれも一面の真実。だからこそ長期視点と中期視点の併用が必要です。
直近7年(令和元年〜令和7年)にズームインしてみます。
令和元年度(2019)→令和7年度(2025)の予算は53.3億→69.0億で1.29倍。しかし、町税は、23.0億→23.3億とほぼ横ばい(年率0.2%)。代わりに予算規模を押し上げているのがふるさと納税の急成長と、当初予算上の基金繰入です。
町税の正体:固定資産税が64%、その大半は商工業地から
町税24.33億円(R6決算)の中身を見ると、固定資産税が町税の64.3%を占める。これが久山町の財政の中核です。商工業地(トリアス、物流倉庫群など)からの固定資産税は推定13億円規模を占めると見られます。法人町民税2.71億円も加えると、町税の半分以上が商工業地由来。
この構造は、2世代の意思決定者たちの戦略の積み重ね
久山町がこの財政構造を持てているのは、偶然でも、現在の町長や議員の手柄でもありません。
1969年(56年前):町域3,744haを都市計画区域として定め、約97%(3,643ha)を市街化調整区域に指定し、残り101haだけを市街化区域として計画的に開発するという決断。マンションを誘致すれば短期的に住民数と町民税は増やせる。でもそれは里山風景と田園風景を壊すことを意味します。久山町は、町域の97%を市街化調整区域に指定するという1969年の決断で、マンション開発を抑制。
2006-2007年(19年前):「開発抑制」から「計画的開発を行う施策へ転換」(マスタープラン公式)。市街化調整区域内に地区計画が33箇所指定され、町域全体に計画的な開発が広がっています。町内を走ると、ロードサイドに次々と物流倉庫が建っている景観に出会うのは、この制度的根拠があるためです。製造品出荷額はH22(2010)290億円→R2(2020)689億円、10年で2.4倍に急増。
つまり、久山町の財政構造は、性格の違う2つの世代の意思決定が積み重なった結果として現れています。前者が「守りの遺産」(田園と人口のバランスを守った)、後者が「攻めの遺産」(固定資産税で町税を押し上げた)。
ただし、ここで注意したい。マスタープラン自身が「近年、地区整備計画を導入していない区域でトラックヤード・資材置場が散在したり、開発行為にあたらない物流倉庫が建設されたりするなど、新たな課題が生じている」と公式に認識しています。攻めの遺産が、いま静かに、ミニ都市化のリスクへと変質しつつある。第8章で書いた「ミニ都市化の罠」が、久山町の現場でも起きている、ということです。ただし、これは町が積極的に物流施設を誘致した結果というより、高速道路網や全国的な物流再編の圧力が、IC周辺の調整区域に流れ込んでいる側面が大きい。土地所有者の売却を止める強い権限が行政にない、という構造的な弱さも背景にあります。
余談ですが、決裁権は土地所有者に帰属し、耕作放棄地を制御できないのも似た構造があります。農地法は農家を守るためのものでしたが、今ではその強大さに故に、新規参入や、管理体制の最適化ができず、結局、荒廃率が上がってしまう。そんな状況を書いていて思い出しました。私には、自治体よりもさらに遠く感じてしまう場所ですが、国会も大事ですね。
未来への投資は、歳出の3%未満
経常収支比率90.8%の硬直した予算の中で、未来への投資はどれくらい行われているか。R6決算の歳出を款別に見ると:
- 商工費:1,467万円(歳出の0.22%)
- 農林水産業費:1.88億円(2.86%)
- 観光費:8.2万円(0.001%)
「町を将来にわたって伸ばすための投資」は、合計しても歳出全体の3%に届きません。観光費8.2万円は、町独自の観光戦略予算は実質ゼロ。
農林水産業費1.88億円も大半が既存農業の維持コスト。農家数はH2の392戸→R2の124戸で30年に68%減、経営耕地面積も260ha→107haで59%減。新規就農支援、林業担い手育成、6次産業化、農産物加工への投資はほぼ走っていません。
里山と田園の担い手が、町の中で急速に消えている。それは第4章で書いた「身体性を伴う感動の宝庫だった里山と田園」の崩壊が、久山町の中でも進んでいるということです。
その前に ── 投資の是非を、何で判断するか
これから個別の事業を見ていきますが、その前に、自分がどんな物差しで「この投資は是か非か」を判断しているのかを、はっきりさせておきます。基準3つ。
物差し1:持続可能か。投資を見るとき、建設費という一度きりの数字だけを見てはいけません。本当に怖いのは、一度建てたら毎年乗り続ける運営費(固定費)です。経常収支比率がすでに90.8%の久山町で、新しい固定費を上乗せすることは、将来世代が自由に使えるお金を、毎年少しずつ削っていく選択になる。だから私は、初期費用より「永続的に乗る固定費」を重く見ます。赤字を垂れ流し続けるハコモノは、それ自体が将来へのツケです。
物差し2:全員に等しく届くか、一部に向くか。同じお金を使うなら、それが「どんな家庭に生まれた子にも等しく届くもの」なのか、「届く人が限られるもの」なのかを問いたい。道路、水道、学校、給食──こういうインフラは、町の全員に等しく届きます。一方、観光施設や特定の人向けの場は、届く人が限られる。行政がまず担うべきは、前者だと思います。
物差し3:行政は主役か、土台か。これが一番大事な物差しです。行政が自ら派手な施設を建てて運営する「主役」になろうとすると、たいてい失敗します。役場に、観光施設や飲食店を黒字で回し続けるノウハウはないからです。行政の本当の役割は、主役になることではなく、何かに挑戦しようとする人を支えるフィールドを整えること。主役は、住民であり、民間であり、これから主役になろうとする挑戦者です。行政は、その人たちが立てる舞台をつくり、主役を志す者を育てる。そういう文化醸成に注力する。脇役に徹したときにこそ、行政はいちばん機能する。私はそう考えています。
この3つの物差しで、久山町が「未来への投資」と称する事業を、2つ見ていきます。
事業のケーススタディ:そらやとガイダンス施設
「未来への投資」と称される事業のうち、構造的に注目すべき2つを見ます。一つは小さい事業(そらや)、もう一つは大きい事業(首羅山ガイダンス施設)。
そらや:小さく単体赤字、世界観はわかるが、うまくいってないモデル
令和元年4月オープンの地域交流型シェアオフィス「そらや」。猪野エリアの空き家改修、定員約10名。改修費は590万円(情報交流拠点改修工事)。R元年以降の管理委託料・備品代の累計約560万円を加えて、町の総支出は累計約1,150〜1,400万円。
R7現在、登録席11席のうち7席が利用、年間利用料収入は147万円。町の運営費(役場側の人件費含む)と売上を比較すると、単体事業としては赤字。世界観としては理解できる事業(古民家活用、空き家対策、コミュニティづくり)ですが、うまくいっているモデルとは言いにくい。
ただし規模は小さい。累計1,400万円で7年運営、年平均200万円規模は町の財政全体ではノイズに近い。「急いで捨て去る必要はない」けれど、「成功事例として全面展開する」のとは違う──というのが、データから見える評価です。
もう一つ、見ておきたい数字があります。そらやは「地域交流型」シェアオフィスを名乗っています。では、その「交流」はどれだけ実現したのか。久山町の第3期総合戦略の効果検証(2024年度)を見ると、「空き家を活用した交流事業等の運営組織の構築および共感型ファンド事業数」という指標が設定されていて、目標は3件。実績は、0件でした。つまり、大企業サテライトオフィスとしては、6割稼働しているが、町民への還元は0に近いと解釈できます。
本来なら、もっと定量評価しやすいキッチンや交流スペースの稼働率のような「交流の量」を直接測る指標も、町の公開資料には見当たりません。
なぜ達成できなかったのか。社会学に「臨界質量(クリティカル・マス)」という概念があります(Marwell & Oliver, 1993)。集団で何かに取り組む協働は、ある日いきなり生まれるのではなく、まず認知と関係の裾野が一定量を超えて初めて、自走し始める、という考え方です。核物質が一定量を超えて初めて連鎖反応が起きるのと同じ比喩です。これを地域に当てはめると、近年「関係人口」(移住でも観光でもなく、地域に多様に関わる人々)という言葉で語られる裾野づくりにあたります。つまり、協働的な交流を起こしたいなら、まず認知され、関わる人の裾野を厚くするのが先。そらやは、その裾野を育てる戦略を欠いたまま、箱(オフィスとキッチン)だけ用意してしまった。交流事業の運営組織が0件なのは、気合い不足というより、戦略の問題だったのかな、と思います。
もう一つの角度として、SNSの広がりを見てみます。そらやの公式Facebookのフォロワー(いいね)は、2019年4月の開設から約6年で153。参考までに、私たちノンビリムラが2024年5月に始めたInstagramは、約2年で1,198のフォロワーになりました(媒体が違うので単純比較はできませんが、月あたりの伸びで言えば二桁の差があります)。同じように「自然」「交流」「共感人口」を掲げても、行政が公費1500万円投資できる拠点と、民間の若輩弱小NPO法人が発信する場とで、資金力と人の集まり方が反比例的です。
世界観は理解できます。でも、「交流拠点」という看板に対して、その成果を数字で測る仕組みが、そもそも用意されていない。看板に見合う成果が出ているかを、町自身が定量的に説明できる状態にはなっていない、ということです。
首羅山遺跡ガイダンス施設:そらやとは桁違いの投資、構造的に赤字予想
「未来への投資」と称される事業の中で、構造的に注目すべきものがあります。首羅山遺跡ガイダンス施設です。
首羅山は2005年度に調査が始まり、2013年3月に国史跡指定された中世山岳寺院遺跡。鎌倉時代に350の坊があったとされる、歴史的価値のある場所です。ここに、町営の「首羅山遺跡ガイダンス施設」を建てる計画が進んでいます。史跡の歴史を伝える展示に、飲食・交流機能(レンタルキッチン)を備えた、観光交流拠点です。令和8年度から建設事業に着手し、整備費は約3億7,600万円が見込まれています(うち、令和8年度当初予算では整備工事費3億3,108万円が計上・可決されました──議会だより101号)。
R7予算で実施設計+用地購入等に5,345万円が注入され、令和8年度には1億6,090万円の起債が計画されています。建設事業費(整備費)は約3億7,600万円が見込まれ、これまでの事前投資(調査等)約1.9億円を加えると、累計は約5.6億円規模に達する見通し。建設費は上振れしやすく、最終的にさらに膨らむ可能性もあります。供用後は毎年1,000〜1,500万円の運営費が永続的に積み上がります。
ストーリーは理解できます。健康・自然豊かな町という久山町のブランディングに沿った構想です。
でも、類似ブランディング・類似機能の施設の現実を見たほうがいい。町内には2022年末オープンの民間複合施設があり、温泉+サウナ+食事+レンタルスペースの複合機能を持ち、SNSフォロワー28K規模で集客している。R6入湯税268万円から逆算すると年間入湯者数約1.79万人=1日49人。
民間ですら厳しい収益構造を、町営のこの観光交流拠点が乗り越えられるかは、厳しそうと感じます。
このまま進めば、経常収支比率は90.8%からさらに悪化し、町が自由に使える数億円の枠はさらに小さくなりそうな予感が漂っています。
町の貯金について、計算方法の変更も起こってそうですが、町の基金残高は、一応、令和4年度20.4億→6年度26.7億と増えています。
しかし、繰入(貯金の切り崩し)を予算に組み入れる額は平成20年代3〜4億円台だったのが、令和4年度5.0億→5年度6.5億→6年度6.5億→7年度7.3億と近年になって急増、繰入計上してきました。しかし、フルに繰入を使っていない処理をしており、決算で余剰が出る会計のため、基金残高は増えていっているのだと思います。
計算方法がwebのpdfだけでは拾いきれなかったため、これ以上推測はできませんが、当初予算の繰入計上額が近年膨らんでいること自体は、注視すべきサインです。この上にハコモノ的固定費を上乗せすることは、攻めの財政を打てない未来へ、緩やかに向かっていく選択でもあります。
追い風が止まる10年
では、それをいつまでにやる必要があるのか。4つの「時計」で、追い風がやむ時期を見ておきます。
人口の微増トレンド、国庫補助の継続、ふるさと納税制度の存続、消費の安定。この4つすべてが、2025〜2035年の10年間に減衰局面に入ると予測されています。
逆に言えば、今こそが、町の自前の力を育てる最後のチャンスでもあります。
この章のまとめ
久山町は、「稼ぐ力はある、自由に使えるお金は少ない、未来への投資はほぼない」町。データで見えてきたのは:
- 自主財源比率58.2%は2世代の遺産。守り(97%調整区域)と攻め(計画的開発)の積み重ね
- 町税の64.3%が固定資産税で、その半分以上が商工業地由来
- 経常収支比率90.8%=収入の9割超が既存の運営コストで埋まっている
- 未来への投資(商工費+農林水産業費)は歳出の3%未満
- 農家数は30年で68%減、経営耕地面積は59%減。耕作放棄地が増えている
- ガイダンス施設(整備費約3億7,600万円、事前投資を含む累計約5.6億円規模)など、収支構造を議会で議論する必要がある
- 当初予算の基金繰入計上額が近年急増(令和7年度7.3億円)。ただし決算は黒字基調で、基金残高はR4→R6で20.4→26.7億円と増加
- 物流倉庫化の進行は「攻めの遺産」が「ミニ都市化リスク」に変質しているサイン
- 追い風4つが、すべて2025〜2035年の10年間に減衰局面に入る
これらは批判ではなく、地方自治体に共通する構造的な現象です。だからこそ、構造を可視化した「地図」として、本章を残しておきたい。
歳出は、町の価値を上昇させる方向に向かっているか。2世代の意思決定者たちが残した遺産を、現役世代が次の世代にどう渡すか。
当初予算ベースで基金繰入に頼る構造のまま、赤字必須のハコモノに資金を振り向け続ければ、経常収支は悪化し、攻めの財政が打てない町へ緩やかに向かう。
逆に、追い風がまだ吹いている今、福岡市にはできないことを、久山町だからやれる領域に投資を始められれば、3つ目の世代の遺産を次に残せるのではないでしょうか?