RESEARCH DATA
データ保管庫
里山体験施設「ノンビリムラ」(福岡県久山町) の運営データを、一次資料として一枚の銀河図に。引用は自由です。
最終更新: 2026-07-07 / 出典: 連載「2025 ESSAYS」第1章
銀河図 — 社会と里山をめぐる、数字のぜんぶ
8つの宇宙がひとつの銀河に。社会の課題・エッセイの提案・ノンビリムラの現場 (実測/お金/場/いのち/やりたい)、そして連載10-11章で解剖した久山町の財政地図。 稼ぐ力はあるが自由に使えるお金は少ない町——投資しきれない里山や共同体を、 関係人口の裾野づくりで民間が担う。数字も生きものも、どこかと繋がっています。
宇宙の名前(下のボタン)や背景の円をタップすると、その宇宙にズーム。他の宇宙をタップで移動、もう一度で全体に戻ります。 全体は左右にスワイプ、2本指のピンチやダブルタップで自由にズーム(ズーム中のダブルタップで全体に戻る)。
関係の一覧 (テキスト版)
- 不登校 → 身体性の回復: 暮らしの動線の中に、身体で学ぶ場を
- 子どもの自殺 → 身体性の回復: 評価されない時間と居場所
- 出生率 → 農園的都市生活: 家族で通える週末の里山
- 関係の希薄化 → 農園的都市生活: 顔の見える共同体
- 国と地方の借金 → 農園的都市生活: 行政コストに頼らない共助
- 森林の荒廃 → 里山の再生: 人の手が入る森へ
- 身体性の回復 → プログラム: ◯◯の日として通年実施
- 身体性の回復 → 満足度: 体験の質の実測
- 農園的都市生活 → 年間来訪: 都市から通う延べ人数
- 農園的都市生活 → ムラビト: 関わりつづける会員
- 里山の再生 → 里山: 手入れの現場
- 里山の再生 → ビオトープ: 生きものの回廊づくり
- 里山の再生 → 土手の整備: 土手を整える
- 里山の再生 → 石垣づくり: 石を積む
- プログラム → 受益者: 参加の延べ人数
- 受益者 → 子どもの参加: うち子ども598名
- ムラビト → 年間来訪: 関わりの輪から来訪の輪へ
- 開村 → 里山: 2023年、竹林から始まった
- 里山 → ビオトープ: 里山の中の水辺
- 猪野川 → 水・川遊び: 川があるから、水遊びがいちばん人気
- 小さな農 → 養蜂: 果樹畑からミツバチの巣箱へ
- 小さな農 → 放牧養鶏: 畑と鶏の循環
- 里山の再生 → 素掘りの池: 水辺をつくり、いのちを呼ぶ
- ビオトープ → 素掘りの池: ビオトープと素掘りの池
- ビオトープ → ヤマアカガエル: 早春に産卵するヤマアカガエル
- 猪野川 → オニヤンマ: 川辺を巡回するオニヤンマ
- 素掘りの池 → ミナミメダカ: 近隣で採集し保全・繁殖
- 素掘りの池 → タナゴ: 近隣で採集し保全・繁殖
- 素掘りの池 → ヤマトシマドジョウ: 近隣で採集し保全・繁殖
- 素掘りの池 → アカハライモリ: 近隣で採集し保全・繁殖
- 土手の整備 → ニホンスッポン: 産卵を呼び込む土手
- 石垣づくり → ニホントカゲ: 石のすきまが住処に
- 養蜂 → ニホンミツバチ: 巣箱に集まる在来種
- ニホンミツバチ → 素掘りの池: 水を飲みに通う
- ニホンミツバチ → 里山の再生: 受粉で里山の植生を豊かに
- 素掘りの池 → 野鳥がふえる: 生きもの→捕食者→多様性の爆発→野鳥
- ビオトープ → 野鳥がふえる: 水辺の生きものを狙う鳥が集まる
- ヤマアカガエル → 野鳥がふえる: カエルもまた、鳥のごちそう
- 放牧養鶏 → 生き物・動物: 鶏のいる暮らし
- ミナミメダカ → 生き物・動物: 生きものに会いたい
- 久山町 → 経常収支比率: 自由に使えるお金は少ない
- 久山町 → 自主財源比率: 稼ぐ力はある
- 久山町 → 未来への投資: 未来への投資は歳出の3%未満
- 久山町 → 自治会加入率: 共同体の健康状態
- 久山町 → 中学校給食: 食の循環という宿題
- 未来への投資 → 里山の再生: 町が投資しきれない里山を、民間が担う
- 自治会加入率 → ムラビト: 関係の裾野づくりを、ノンビリムラが
- 経常収支比率 → 国と地方の借金: 財政硬直という共通の課題
- 中学校給食 → 小さな農: 地産地消は小さな農から
- 久山町 → 里山: ノンビリムラは久山町にある
- 久山町 → 町の予算: 町の予算69億円
- 久山町 → 農家数: 消える里山の担い手
- 農家数 → 里山の再生: 担い手なき里山を、民間が担う
- 久山町 → そらや: 公費1,400万の交流拠点
- そらや → SNSフォロワー: 同じ「交流」、伸びは二桁違う
- SNSフォロワー → 関係の希薄化: 関係人口の裾野づくり
- SNSフォロワー → ムラビト: 関わりの入口
- 身体性の回復 → 受益者: 身体で体験した延べ1,050名
- 久山町 → 基金残高: 基金26.7億(黒字継続)
- 基金残高 → 中学校給食: お金はある。それでも給食は20年遅れ
- 久山町 → 首羅山ガイダンス施設: 大人向け観光に3.76億
- 首羅山ガイダンス施設 → 中学校給食: 投資の優先順位
- 久山町 → 道の駅(断念): 交付返還に至った過去
- 久山町 → 市街化調整区域: 町域97%を守る決断(1969)
- 市街化調整区域 → 里山: 里山と田園が残った理由
- 里山 → 焚き火: 里山に火を
- 里山 → ピザ窯: 里山に石窯を
- 開村 → ロフト小屋: 泊まれる小屋を建てた
- 里山 → ツリーネット: 木々の間に秘密基地
- 焚き火 → 火・料理: 焚き火を囲む
- ピザ窯 → 火・料理: 石窯でピザを焼く
- ロフト小屋 → キャンプ・宿泊: 泊まれる小屋
- ツリーネット → 山・探検: 木の上の秘密基地
- 焚き火 → 火の日: 火の日の中心
- ピザ窯 → 食の日: 食の日
- ツリーネット → 子どもの参加: 子どもが夢中になる
- ビオトープ → 生き物・動物: 水辺の生きものに会う
- ムラの予算 → プログラム: お金が体験に変わる
- ムラの予算 → 里山の再生: お金が里山の手入れに変わる
- ムラの予算 → 里山: お金が4,000坪の里山に
- 寄附金 → ムラの予算: 寄附が事業を支える
- 助成・補助金 → ムラの予算: 助成・補助が事業を支える
- 町の予算 → 助成・補助金: 町の予算69億に対し、mieの助成・補助は計122万
出典: 連載「2025 ESSAYS」本文、令和7年度事業報告書・活動計算書 (福岡市提出)。 全体の要旨は10分のダイジェストへ。
連載の問題提起(10の問い — 解決策はアプリの掲示板で募集中)
連載「2025 ESSAYS」全15章で著者が行っている問題提起を、10の問いに整理したものです。銀河図の数字たちは、この問いの根拠でもあります。 それぞれの問いは本文の該当章につながります。
Q01身体で世界と出会う回路を、どう取り戻すか
水・火・土・生き物との関わりは数十年前まで里山の日常だったのに、いまは「やりたいことリスト」にわざわざ書き出される特別な体験になった。デジタル環境は予測誤差を奪う設計で脳の学習をハイジャックし、子どもも大人も身体で世界と対話する経験が構造的に欠けている。
Q02暮らしの動線の中に、身体で学べる場をどうつくるか
不登校35.4万人・教員の精神疾患休職7,119人と、子どもも先生も学校から離脱している。AIの進化で教育の提供価値の再設計が追いつかない一方、生き抜くためのマタギ的スキル(予測誤差に働きかけ続ける身体知)は、身体を使う作業場・自然の中でしか育たない。
Q033割欠けた共同体を、どうつなぎ直すか
単身世帯38%・孤立死年2万人超の「単身で生きて、単身で死ぬ」社会が出現し、社会的孤立はWHOが警告する世界的な症状になった。久山町でも自治会加入率は67.6%と3軒に1軒が未加入で、祭りの運営も共同体から行政・イベント会社へ移り、形は残っても機能が生きているかは別問題になっている。
Q04儲からない森と里山の手入れを、誰がどう担うか
人工林の6割が収穫期なのに「切っても儲からない、放置すると荒れる」状態で森は暗くなり、土壌流出から川が痩せ海が痩せる連鎖が起きている。お金が動くのは開発のときだけで、幸福度・水源・海の源である森はメンテナンスの対象としては経済的に0円と評価されている。
Q05輸血に頼らない地域の稼ぎと循環を、どうつくるか
地方創生の優等生ですら自主財源は1割台で、国からの輸血と借金が地域を支える。その国自体が世界一の借金大国であり、輸血が細る未来は必ず来る。それなのに全国1,700の自治体は一斉に「ミニ都市化」という経済合理性の負け戦に向かい、手元の「身体性を伴う感動の宝庫」という強みを捨てている。
Q06限られたお金と時間を、未来のどこに集中させるか
久山町は稼ぐ力(自主財源58.2%)があるのに、経常収支比率90.8%で自由に動かせるお金は数億円しかない。未来への投資(商工・農林・観光)は歳出の3%未満で、成果を測る仕組みのないハコモノが固定費を上乗せする。人口・補助・寄付・消費の追い風がすべて減衰する10年が始まっており、「増やす議論ではなく、やめる議論」が要るのにできていない。
Q07エネルギーと食を、地域でどこまで自給できるか
エネルギー自給率4%・食料自給率38%という外部依存の生活は、円安と価格上昇の悪循環の入口にある。久山町の再エネポテンシャルは電力需要の約2.5倍あるのに自給率は約11%——資源が足りないのではなく、作っていないだけ。給食のような子どものインフラも、町外へ丸投げすればお金が地域経済を素通りする。
Q08都市に住んだまま里山と関わる暮らしを、どう広げるか
都市生活には孤立・不登校・メンタル悪化という深刻な穴があり、里山には人手不足・メンテナンス不在・生態系の劣化がある。この2つの問題は接続されないまま別々に放置されている。「都市vs地方」の二項対立や移住前提の議論は現実に合っておらず、ノンビリムラの来訪者もまだ福岡市人口の0.2%未満——関心のある層にしか届いていない。
Q09みんなが同じ前提でダベれる町を、どうつくるか
8.1億円の道の駅事業はハコ先行・住民の納得後回しで断念に至り、中学校給食は「できない理由」が十数年通用し続けた。合意形成の出発点となるべき「同じ前提の共有」——人口局面や財政構造を住民がダベれる程度に知っている共通言語——が町に欠けている。
Q10自分で自分を生かす技を、どう学び直すか
現代では何かをやろうとすると資格・許認可・専門業者が先に来て「自分でやってみる」が選択肢にすら入らない。救済システムに全面依存し、自分で自分を生かす技を持たない人が増えることは、社会全体の脆弱性を上げる。もうこの国には、一代で完結しない仕事に取り組む体力と時間がそれほど残っていない。
生物相の全記録(75種の一覧を開く)
前蛍山・猪野川周辺 (ノンビリムラ敷地および近郊) で記録した生きもの。里山の手入れとビオトープづくりが、 どれだけの種を呼び戻したかの一次記録です。
記録開始 2024-03-02 / 記録種 75 種 ・保全対象 4 種。記録種は前蛍山・猪野川周辺にて目撃および捕獲したもの。種名は標準和名。⭐目撃 / ○捕獲。※は外来種。昆虫は種数が膨大なため代表的に見られるものを選別して記録。
保全対象 — 福岡県RDB絶滅危惧種
ノンビリムラでは記録されていないが、近隣の森や川で採集した絶滅危惧種を、ビオトープと素掘りの池で保全し個体数の増加を図っている。カテゴリーは福岡県レッドデータブック(RDB2014)による。
- ニッポンバラタナゴ(タナゴ)絶滅危惧IB類九州北部の在来亜種。交雑と生息地改変で危機的。
- ミナミメダカ(メダカ)絶滅危惧II類水路のコンクリート化などで減少。
- ヤマトシマドジョウ絶滅危惧II類きれいな砂礫底の流れを好む。
- アカハライモリ絶滅危惧II類福岡県では環境省(準絶滅危惧)より高いカテゴリー。
哺乳類3
- ホンドタヌキ
- ホンドキツネ
- ニホンイノシシ
鳥類11
- キジバト
- アオサギ
- カワウ
- ダイサギ
- チュウサギ
- スズメ
- シジュウカラ
- ヒヨドリ
- ハシブトガラス
- ハクセキレイ
- シロハラ
魚類15
- オイカワ
- カワムツ
- ミナミメダカ
- イトモロコ
- ムギツク
- カマツカ
- ニホンナマズ
- ドンコ
- カワヨシノボリ
- ゴクラクハゼ
- ギンブナ
- ゲンゴロウブナ※外来
- コイ※飼育型
- オオクチバス※特定外来生物
- カダヤシ※特定外来生物
爬虫類6
- アオダイショウ
- タカチホヘビ
- ニホンカナヘビ
- ニホントカゲ
- ニホンスッポン
- ミシシッピアカミミガメ※条件付特定外来生物
両生類3
- ヌマガエル
- ヤマアカガエル
- ウシガエル※特定外来生物
甲殻類5
- テナガエビ
- スジエビ
- ヌマエビ類
- ヌカエビ類
- アメリカザリガニ※条件付特定外来生物
昆虫 — 甲虫3
- コクワガタ
- ユミアシゴミムシダマシ
- ヤマトタマムシ
昆虫 — 網翅上目2
- オオカマキリ
- ハラビロカマキリ
昆虫 — 直翅目6
- ショウリョウバッタ
- オンブバッタ
- ツチイナゴ
- コバネイナゴ
- クサキリ
- エンマコオロギ
昆虫 — 蜻蛉目5
- オニヤンマ
- ハグロトンボ
- アキアカネ
- ウスバキトンボ
- アジアイトトンボ
昆虫 — カメムシ目6
- クマゼミ
- アブラゼミ
- ツクツクボウシ
- ミンミンゼミ
- ニイニイゼミ
- アメンボ
昆虫 — 膜翅目4
- オオスズメバチ
- キイロスズメバチ
- ニホンミツバチ
- セイヨウミツバチ※外来
その他節足動物6
- オカダンゴムシ
- ワラジムシ
- トビズムカデ
- ジョロウグモ
- アンダソンハエトリ
- アシダカグモ
出典: 現場記録。絶滅危惧カテゴリーは 福岡県レッドデータブック による。昆虫は代表種を選別して記録。
引用について(出典を明記のうえ自由に利用可)
NPO法人mie「ノンビリムラ 経年データ」https://mie-fuk.jp/data(2026-07-07更新版、閲覧日を付記)
数値の定義・計測方法についてのお問い合わせは こちらのフォーム からどうぞ。