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2025 ESSAYS — DIGEST

10分で読むダイジェスト

プロローグから エピローグまで、各章を3〜4文に要約しました。 要約は本文にある言葉と数字だけでできています。 気になった章があれば、そこから全文へ潜ってください。

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INTRO · はじめに

PROLOGUEプロローグ

大きな旗を掲げず、手触りの感動を軸に3年。「目指す社会は、喜びを獲得しやすい社会」という総会での問いが、この長い記録を書く動機になった。3年間で見えてきたことと社会の現実を、正直なメモとして置いていく。

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CHAPTER 01ノンビリムラのこれまで

直近1年の来訪者は2,850名、満足度4.81/5.0、ムラビトは400名。アンケートに書かれた「やりたい」の中身は、川遊び・焚き火・探検——数千年のあいだ日常だったことばかりだった。ビオトープ15箇所、養鶏、果樹と場所は育ったが、2,850名は福岡市人口の0.2%にも満たない。効果は誤差レベルだと認めるところから、問題の解像度を上げていく。

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PART 01 · マクロを直視する

CHAPTER 02日本の崩壊サイン

不登校35万3,970人、子どもの自殺529人、出生率1.15、国と地方の借金1,267兆円。経済指標と社会指標を並べると、すべての線が同じ方向を指している。「過去と現在を支えること」と「未来を作ること」の不均衡が、数字の底に見える。

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CHAPTER 03世界も同じ景色

日本だけではない。OECD38カ国中37カ国が人口維持水準を下回り、孤立は世界規模で拡大している。都市化した社会では同じ症状が構造的に起きる——「都市生活様式というOSそのものがバグを抱えている」のかもしれない。日本はその最も進行した患者であり、だからこそ試行錯誤の役割を担える。

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PART 02 · 身体に降りる

CHAPTER 04ただ生きる喜び

数字から、ただ生きる喜びへ。やってみて、失敗して、工夫する循環にこそ、消費では届かない喜びがある。鳥の種類が14種多い環境に住む人の生活満足度は月収約2万円増と同等——身体で生きる喜びは、科学的にも数値化され始めている。その環境基盤が、いま静かに崩れつつある。

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CHAPTER 05マタギ的に生き抜く

AIの進化が前提を塗り替えていく時代に、必要なのは正解を知っている人ではなく「状況が変わったときに、すぐ動ける人」。マタギの反射、OODA Loop、反脆弱性、行為的直観——別々の分野が同じスキルを指している。そしてそれは、予測誤差が連続する自然の中でしか育たない。

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CHAPTER 06未知との遭遇が消えた

レコメンドに最適化されたデジタル世界は、人間を予測可能性の中に閉じ込める。脳にとって予測誤差は成長のための燃料——それをゼロに近づける設計の中で、回路は静かに萎縮していく。森と火と鶏という予測誤差まみれの環境が、脳の本来のリズムを取り戻す処方箋になる。

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PART 03 · 構造を捉える

CHAPTER 07暗い森が、川と海まで弱らせる

国土の約3分の2が森林なのに、伐採率は0.53%でほぼ放置。暗くなった森は、川を通じて海まで痩せさせる。「切っても儲からない、でも放置すると荒れる」構造の中で、竹の伐採やビオトープ造成という小さなメンテナンスから、人間も生態系の一員として役割を果たす共同体を考える。

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CHAPTER 08海士町の輸血経済

地方創生の優等生・海士町でさえ、自主財源は約12%。それを支える国も年間55兆円の赤字で、「親会社が借金で子会社を支えている」。全自治体が大都市を目指しても、全自治体が大都市になれるはずがない。開発時にしかお金が動かない構造を、どう断ち切るか。

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CHAPTER 09自立とは何か

自立とは自給100%のことではなく、「自給と調達のバランスを、自分たちで設計できる状態」。エネルギー自給率約4%、食料自給率38%の国で、自給率を10〜30%上げるだけで社会の構造は変わる。そしてそれは、身体で世界と関わる経験の回復でもある。

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PART 04 · 久山町を見る

CHAPTER 10久山町の財政地図

久山町を財政データから解剖する。自主財源比率58.2%と「稼ぐ力」はあるが、経常収支比率90.8%で自由度は低い。人口増、トリアス、ふるさと納税——追い風はいつまで吹くか。追い風が止まる前に何に投資するかが、いま問われている。

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CHAPTER 11共同体の健康状態

総事業費約8.1億円の道の駅事業は「ハコが先で、住民の納得が後回し」だった。自治会加入率は67.6%、3軒に1軒が未加入の町。お金で測れない共同体の健康を、祭りが持っていた二つの機能——内に向けた再確認と、外に向けた相対化——から考え直す。

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PART 05 · 実装する

CHAPTER 12福岡市にできないことをやる

ミニ都市化は構造的な負け戦。だから「福岡市にはできないこと」を。遊休林の再価値化、身体で学ぶ教育、立ち止まる勇気、水と馬の回廊、再エネ——5つの領域を「久山子どもの森プロジェクト」に束ねる政策提案。経済政策であり、同時に身体性の回復政策でもある。

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CHAPTER 13農園的都市生活のススメ

移住でも自給自足でもなく、「農園的都市生活」。平日は都市で働き、週末や月に何回か、1時間圏内の里山に通う。土を触り、火を起こし、また都市に戻る——移住のコストを払わずに、自然との接続を回復する生活様式の提案。ノンビリムラの次の3年は、その実験台になる。

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EPILOGUEノンビリムラから見えた次の3年

世界には、生きるに値する感動が、たぶんたくさんある。ただ、それを身体で受け取る回路が、現代の生活様式の中で細っている——3年間は、その回路を小さく、ゆっくり開き直す実験だった。植えた木が大きくなるのは30年〜50年先。同じ哲学と美学で、ぼちぼち続けていく。

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